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ぼんやり参謀

好きな事について書いたり、薬にも毒にもならないことを考えたりします。

「ボーイ・ミーツ・ニンジャ・イン・ディープブルー」#1

雑記

重金属酸性雨の降り注ぐ夜、20時間の連続勤務を終えたウラシマはコケシ工場を後に一人帰路についていた。
「やれやれ……今日もザンギョウ……コケシがなんだ、一部のカネモチの道楽じゃないか……」

彼が働くコケシ工場は暗黒コーポの下請けであり、中にメンタイなどの違法薬物を入れ、法外な値段で売りさばいている。しかし、流れてくるコケシの頭を整えるだけのウラシマはその真実を知らない。

「はあ…さっさと帰って寝よう…。3時間後には出勤だしな…ン?ヤンク?」
夜中にヤンク達が騒ぐことは珍しいことではない。しかし。

おお、見よ!バイオリクガメがヤンク達にケマリめいて蹴りとばされているではないか!
「ギャハハ!キャバーン!キャバーン!」
「ポイント倍点!ギャハハハ!」
「ギャハハ!ギャハギャハハ!」

ヤンクが罪のないバイオ動物を蹂躙するなどチャメシ・インシデントである。ウラシマはそういった現場を何度も見てきたし、その度に見て見ぬふりをしてきた。カラテのない彼には止める勇気も度胸もなかったのだ。

しかし、今夜は違った。コケシから漏れたメンタイを気づかぬ内に吸引していたためだ!
「ちょ、ちょっとやめないか、君達……」
「ギャハ…アアン?」
メンタイを吸引してなおか細いウラシマの声にヤンク達が振り向いたその時!

「イヤーッ!」
「アバババーッ!?」
バイオリクガメが突如大男に変身し、ヤンクの頭をカラテ粉砕!ニンジャのエントリーだ!
アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」

「ひ、怯むなッオラー!ススス、スッゾオラー!」
ZBRアドレナリンを吸引し、かろうじてNRS(ニンジャリアリティ・ショック)を免れていたヤンクの一人が無謀にも大男に突進!
「イヤーッ!」
「アバババーッ!」
大男は突進をやすやすと片手で受け止め、ヤンクの頭をカラテ粉砕!

「ススス、スッゾオラー!」
ZBRアドレナリンを吸引し、かろうじてNRSを免れていたヤンクの一人が無謀にも大男に突進!
「イヤーッ!」
「アバババーッ!」
大男は突進をやすやすと片手で受け止め、ヤンクの頭をカラテ粉砕!

「ススス、スッゾアバババーッ!!」
ZBRアドレナリンを吸引し、かろうじてNRSを免れていた最後のヤンクも片手でカラテ粉砕!
「アイエ、アイエエエ………」
惨劇を見届けたウラシマはその場に座り込み、しめやかに失禁!

「大丈夫です、実際安心です。リュウグウ・ニンジャクランは恩を忘れない。ドーモ、ヘヴィタートルです。」
大男はウラシマの方に向き直ると、意外にも丁寧な口調で話し、そしてアイサツをした。

「アイエ、ド、ドーモ。ウラシマです。あなたはニンジャですか」
「実際ニンジャです」
「アイエエエ………」
ウラシマが驚くのも無理はない。多くの日本人にとってニンジャとは、フィクションやカートゥーンめいた伝説上の存在であるからだ。

「助けていただきありがとうございました。私はニュービーなので、一呼吸する間がなければ変身は解けず、先ほどはオタッシャ重点でした。」
「ア、アイエ、それは、どうも。」

リュウグウ・ニンジャクランは恩を忘れない。共にドージョーへ行き、私のセンセイに会ってくれませんか。おもてなしをします。」
しかし、とウラシマは考えた。何しろニンジャである。ホームグラウンドでネギトロにされた挙句、こちらがセンセイとやらへのおもてなしになるのもありえる話だ。

「オーガニック・トロ・スシもあります。もちろんマッチャも」
「トロ・スシだって!?」
トロ・スシというワードがウラシマの思考をかき消した。何しろウラシマはここ数ヶ月、粉末整形されたカンピョウ・スシで口に糊をしている状態だったのだ。

「そうです。それもオーガニックです」
「ヨヨ、ヨロコンデー!」
こうしてヘヴィタートルの提案を快諾したウラシマは、深い海の底にあるリュウグウ・ニンジャクランのドージョーへ連れて行かれたのであった。