音楽はよい。
聴いても歌っても踊っても弾いても楽しめるんだもの。何をしても楽しめる。食べ物でいうところのカレーである。
先日複数のバンドが2箇所のライブハウスで順番にライブをするイベントを観に行ってきたが、それも大変良かった。ちなみにそういう複数箇所のライブハウスを行ったり来たりしながらライブを観る形式をサーキットイベントというらしい。一つ賢くなった。
このイベントは2日行われ、総勢十数組のバンドが演奏したのだが、正直なところ自分はそのうち3組しか知らなかった。せっかくなので他のバンドも聴いてみようか、くらいのスタンスだった。各バンドの代表曲すら予習もしなかった。
それは大きな間違いだった。
凄かったのだ。
迫力が、思いが、伝わってくるのだ。汗にまみれながら、全力で、心の底から絞り出されるのだ。気付けばうっかり早くも2組目のバンドで号泣してしまった。だめだよ、それは。他人が頑張ってる姿で泣いちゃったらもうおじさんだよ。
今まで知らないバンドの演奏はあまり聴いたことがなかった。お気に召しのバンドが2マンをするとなっても「知らないバンドが演奏するんだったらいいや」と避けていたのだ。間違いだった。大いに恥じた。なんと見識の狭いことか。
さらに言えば、特にライブである。
2日目は各バンドの曲を一通り聴いてから参戦したのだが、それもほとんど意味のないことだった。演奏が全然違うのだ。伝わる思いが全然違うのだ。2日目で唯一知っていたバンドはどちらかというと繊細な印象だったのだが、実際の演奏のあまりの力強さにひっくり返った。直接聴かないとそのバンドのこと何もわからないじゃん。これが結論である。
音楽はよい。特にライブはよい。そのバンドの気持ちが直接伝わってくる。それは嬉しいことだし、楽しいことであり、感動して泣くに値することである。
みなさまは日頃、面白いことや楽しいことはあるだろうが、泣くほど感情を揺さぶられたことがあるだろうか。無いならばライブに行ってくれ。情熱がほとばしるライブに。
2日間駆け抜けた中で(自分は聴いていただけだが)最も光り輝き天才だと思ったバンド「セプテンバーミー」が年内で活動休止だという。あってはいけない事だ。