ぼんやり参謀

好きな事について書いたり、薬にも毒にもならないことを考えたりします。

頼むからニンジャスレイヤーを読んでくれ

笑って泣けて、話に深みがあって、熱い。そんな物語はないのか。 

ある。それがニンジャスレイヤーだ。今日はその紹介をしたく記事を書く。

何故この場で書くのか。ここにしか書く場所がないからだ。

 

 

ニンジャスレイヤーとは、元サラリマンのフジキド・ケンジが妻子を殺したニンジャに復讐を果たすべく、自らもニンジャとなり戦いに身を投じていく物語である。原作小説はエピソード形式でTwitter(@NJSLYR)などのSNS上に投稿される。また、エピソード自体もランダムにカットアップされた順番で投稿され、ある程度時系列が前後する形で話が展開される。

twitter.com

 

ニンジャスレイヤーの魅力は大きく「圧倒的トンチキ」と「芯に刺さるシリアス・王道展開」の2つに分けられる。それぞれについて説明したい。

 

1.圧倒的トンチキ

ニンジャスレイヤーの特徴はなんといってもニュービーも重篤ヘッズもお構いなしに叩きつけるような圧倒的トンチキである。サイバーパンクな世界観に重ねられる不思議な言葉使いや単語、語句はかなりのワザマエと言わざるを得ない。以下に、いくらかの実例を挙げる。

 

・設定がトンチキ

 これはニンジャスレイヤーがイクサを行う際のシーンである。ニンジャ同士のイクサではイクサ前に互いにアイサツを行うことが掟であり、これを行わないことはシツレイにあたる。「いや忍者ってそういう事じゃないだろ」と思うかもしれない。その気持ちは正しい。自分もそう思った。

 

・世界観がトンチキ

 世界観自体がトンチキな場合もある。センタ試験については色々な場面で語られており、「カチグミのサラリマン」になるための試練などと言われていたりする。微妙にリアルだ。

 

・単語がトンチキ

書き忘れていたが、ニンジャスレイヤーはブラッドレー・ボンドとフィリップ・N・モーゼズの2人が原作を書き、それを翻訳するという形で連載が行なわれている。そのため設定がトンチキだとか世界観がトンチキなのは何か日本を勘違いした結果と捉えることもできなくはない。先ほどから頻出している少しばかりおかしい日本語もその結果と捉えられるだろう。だが、「チャメシ・インシデント」は分かってやっているとしか思えない。こういった地味な揺さぶりがヘッズの頭のうしすうを下げていく。

ニンジャスレイヤーに登場する単語についてはまとめられたものが存在する。興味があればもう少し覗いてみるのもいい。

コトダマ(あ行〜な行) - ニンジャスレイヤー Wiki*

 

・状況がトンチキ

 エピソード「マグロ・サンダーボルト」は速度を上げつつ走り続けなければ爆発する装置を”他人と間違えて”取り付けられたニンジャスレイヤーが、解除を目指して敵ニンジャを殺しながら奔走する話である。時速100キロにも到達する勢いで走り続けるニンジャスレイヤーを助けるべく、相棒のナンシーが至急用意したのは......最高級ルームランナーだった!!

 

 

 

ここまでの説明では、ニンジャスレイヤーに対して「ウワッ胡乱な小説だ、帰ってパラッパラッパーしよう」などと思ってしまうかもしれない。だがニンジャスレイヤーの本質ではこれだけではない。

 

2.芯に刺さるシリアス・王道展開

正直なところ読まなければ真には分からないため、この場でしっかりと伝えることができないのだが、ニンジャスレイヤーの面白さはシリアスとトンチキのバランスにある。締めるところは締めていく、というやつだ。

特に第1部では、ニンジャを殺し続けた結果、無軌道な殺戮を繰り返す他のニンジャと何が異なるのか分からなくなるフジキドの葛藤や、フジキドの内に宿るニンジャソウルとの幾たびもの対話・反発を重ねた結果の最終決戦が自分は大好きだ。女子高生ニンジャ、ヤモト・コキの出会いと別れも評価が高く、自分は「スワン・ソング・バイ・ア・フェイデッド・クロウ」を読んでいて実際泣いた。

トンチキ一辺倒ではなく哀愁やもの悲しさ、熱い展開などが盛り込まれており、読めば読むほど物語の深みを感じることができる。

 

 

 

 

ニンジャスレイヤーは現在第4部を連載中である。元々どこから読んでも良い形式にはなっているのだが、第4部は主人公が交代しており、またいくらかの用語が説明しなおされているなどニュービーが読みやすいようになっている。ぜひ今連載中のエピソードからでも読んでみてほしい。実況タグには#njslyrが用意されており、多くのヘッズと感動や笑いを共有できる。

もちろん第1部から読むのもいい。NjRecallsというアプリでTwitter連載分がエピソードごとにまとめられているため、利用するのもいいだろう。もちろん物理書籍版も販売している。

NJRecalls

NJRecalls

  • R. Natori
  • エンターテインメント
  • 無料

 

さらに2年ほど前に第1部がアニメ化されている。かなり尖った作品になっているため第1話では多くのヘッズがやられたが、これもまた見れば見るほど味が出る作品になっており、特に後半は非常に熱い展開となっている。オススメだ。

個人的には敷居が低く楽しみやすい反面、上に挙げたような言葉遊びの感覚はやや得難いところが難かと思っている。だが後半は良い。とても良い。

www.ninjaslayer-animation.com

 

さらにさらに言えば漫画版(ウキヨエ)も何種類か存在する。特に下のリンクに示すものは第1部のエピソードを中心にとても良くまとめられているのでこちらから入るのも良い。現在Twitter上(@njslyr_ukiyoe)で無料公開/連載されているため、一番敷居が低い媒体かもしれない。当然販売もしている。

 

twitter.com