ぼんやり参謀

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【再放送】バイオプロテクター マイク 第三話「バイオプロテクター・マイク」

 ※この放送は記事告知番組「バイオプロテクター・マイク」の見逃し配信です

 

GOGOマイク
BIO CHARGE STAND UP!
SAFE AND PROTECT マイク!

 

第三話「バイオプロテクター・マイク」

 

(これまでのあらすじ)
バイオギャングのアジトである巨大ビルに潜入したマイクは数々の凶悪トラップや色仕掛け、四天王や色仕掛けをくぐり抜けながら高みを目指して登っていた。そして今、最上階に辿り着く——

 

「hey, マイク。とうとうここまで来たな」最上階の玉座に座っていたのはマイクの相棒、ニックであった。「ずっと待っていた。ずっと待っていたんだぜ」 1

 

「マイク、お前とバイオギャングを追い続けて2年が経った頃だ。俺はバイオギャングの資金源を調べていた。こいつらはこの荒れ果てた惑星でも依然として支配者であり続けている。このなにもなくなったはずの惑星にだ。絶対に裏があるはず、そう考えた」 2

 

「そしたらどうだ、この星は単なる砂漠と廃墟の惑星なんかじゃねえ。地下深くに貴重なイルカやラッコ、カワウソといったシーライフの楽園がありやがった。奴らはここでシーライフを育てては他の惑星に売り飛ばしていたのさ」ニックは話し続ける。 3

 

「利用できると思ったね。今までお前と調べてきた情報と合わせるとバイオギャングの弱みも分かった。奴らの貿易ルートさえおさえちまったら早々に白旗上げてきやがったよ。」ニックはスシを食べた。天然のトロ・スシだ。「そうなるとかえって邪魔なのがマイク、お前だ。」 4

 

「お前がこの惑星の真実を知ってみろ。たちまち惑星間動物愛護団体に連絡して、保護、保護、保護だ。俺のかわいい商品ちゃんもあっという間にパーさ。」彼は玉座の脇から何かを摘み上げた。レインボーに発色するアザラシだ。「キュー」 5

 

「だから俺は待った。お前が来るのを。ここでケリをつけて、俺のセカンドライフを満喫するために。」「……」6

 

シーライフは呪われた生物だ。その愛くるしさや希少性から多くの人間に好まれる一方で、売買は禁止とされている。しかし禁じられればより手元に置きたくなるのが人の性であり、昨今様々な闇ルートでもって法外な値段で購入する人間が跡を立たない。7

 

最近の研究では依存性もあるとされており、数十匹のラッコに囲まれて窒息死した男の話は耳に新しい。またあまりの値段に、シーライフを売りさばく人間はおしなべて金の魔力に取り憑かれてしまうという。買う側も売る側も身を滅ぼす。それがシーライフなのだ。8

 

マイクはそんなシーライフから人類を守るため、保護活動を行ってきた。その中で、シーライフに狂わされた人間も数多く見てきた。今まさにマイクの目の前に立つ男も、シーライフに呪われてしまったのだ。 9

 

「ニック」「なんだ」ニックの瞳は純朴な黒から金に変わってしまっている。ラッコを眺めすぎたのだ。「お前を救うよ」マイクはそう言うと、拳を握り締めた。 10

 

「やってみろ!」ニックはそう言い放つと懐の液体の入ったビンを飲み干した。「これは様々なシーライフから取り出した増強剤だ。見ろ!この肉体を!」飄々としていたニックの肉体が……おお、みるみる内に肥大化し、大きくなっていくではないか! 11

 

「常人の3倍の筋力、これがシーライフパワーだ!イヤーッ!」瞬く間にマイクの眼前に迫ると左フックを繰り出した!「イヤーッ!」なんとかガード…しかし!「そんなガード、何の守りにもならんわ!」「グワーッ!」吹き飛ばされるマイク! ぶつかったコンテナからラッコのぬいぐるみが吹き出す!12

 

「俺はこれからシーライフ・キングダムを作りあげる!シーライフを育て、売り飛ばし、さらにグッズ展開!グッズにはシーライフの匂いを染み込ませ、依存性の相乗効果で売上十倍!隙のない布陣だ!イヤーッ!」マイクをさらに追撃!「グワーッ!それは間違っている、間違っているんだ!」 13

 

「うるさい!イヤーッ!イヤーッ!イイイイイヤーッ!」「グワーッ!!!!」手も足も出ずに打ちのめされてしまうマイク!このまま負けてしまうのか?「バイオ….バイオチャージだ」 14

 

マイクはかろうじて動く左手でインターネット端末を操作する。「ページに…環境やシーライフにいいページにアクセスするんだ……」息がまともに吸えていない。肺をやられてしまったらしい。「これか」皆も今すぐアクセスだ。15

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キンキンキキン!バイオプロテクターマイクの体が光り輝く!「皆のアクセスが、俺の力になる!」倒れ伏した状態から三回転半の側転を決め立ち上がり、鷲のポーズを取る!「バイオチャージ、完了だぜ!」飛んだ! 16

 

(主題歌サビ) GO GO マイク BIO CHARGE STAND UP!「ラッシュをお見舞いするぜ!イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」両者譲らぬラッシュの応酬! 17

 

(主題歌サビ) GO GO マイク BIO CHA…「グワーッ!!!」ラッシュを制したのは…ニックだ。「イヤーッ!」「グワーッ!」ガラス張りの壁に打ち付けられるマイク!「お前のバイオチャージを!俺が計算に入れていないと思うか!イヤーッ!」「グワーッ!」ガラスが割れ、波のように荒い風が吹き込んだ 18

 

「さようならだマイク。俺とも、この世とも。」ニックは悠然と歩み寄る。「終わってなんかない」「いや、終わりだ。頼みの綱のバイオチャージはもう破られた。破られたんだよ」マイクの胸ぐらを掴み、持ち上げる。「まだだ!」マイクの左手が光る! 19

 

「これはハヤイ・アクセスか?だがバイオチャージはもう無駄だ」「ただのバイオチャージじゃない」「何?」朦朧する意識の中でマイクは考える。一つのページへのアクセスでバイオチャージができるのならば……より多くのページへアクセスすれば、さらなるバイオチャージができるのではないか? 20

 

「俺の答えはこれだ!」マイクの頭上に3つのURLが浮かび上がる!「3つのページに同時アクセス!?バカな、身体が持たんぞ!」「どうだっていい!俺が!お前を!助けるんだ!」皆もトリプル・バイオチャージだ!21

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(挿入歌サビ) RUSH RUSH マイク FOREVER!
キンキンキキン!バイオプロテクターマイクの体が黄金に光り輝く!「皆のアクセスが!最高の力になる!」「グワーッ、眩しい!」「トリプル・バイオチャージ、完了だぜ!」飛んだ! 22

 

(挿入歌サビ) RUSH RUSH マイク FOREVER!
「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」マイクの超絶ラッシュ!「おのれ、おのれ、おのれ……!」ニックにはなす術がない! 23

 

(挿入歌サビ) FOREVER BIO PROTECTOR マイク!
「とどめだぜ!バイオ・エターナル・プロテクト!」「グワーッ!!」ニックはきりもみ回転しながらビルの外へ飛ばされていった!「バイオプロテクト………..コンプリート。」マイクはそう呟くと、その場に倒れ込んだ。24

 

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とある星。地球から遠く離れたその星の環境は、当時バイオギャング達によって破壊され尽くしていた。森という森は枯れ果て、人々は砂漠の間に潜むわずかな洞穴や日陰をたよりに生きていた。かつての話だ。 26

 

「おねえちゃん、ぼくもいく!」少年に裾をひかれ、少女は振り向く。「大人しくしてなさい。ちょっと井戸まで水をもらいに出かけるだけなんだから」少女は微笑んで少年の頭を撫でた。27

 

「すぐそこの街角まで行ってくるだけじゃないの」「だってぇ」「だってじゃないの。お菓子屋さんでアメ買ってきてあげるからね」「やったあ!」少年の顔がぱあっと明るくなった。 28

 

「それじゃあ、行ってくるからね!」「気をつけて行ってくるのよ!」「お母さんもやめてよ、水をもらってくるだけって言ってるでしょ」少女は笑いながらそう言い返すと、元気よく大通りを駆け出していった。 29

 

第三話:完